学ぶことは生きること。
教育はとても大切ですが、教育を受けるには大抵の場合お金(学費)がかかります。
年間数十万円~数百万円まで。学費は高額になる可能性があります。家庭の経済事情のために教育を受ける機会を諦めるというのはもったいないことです。
経済情報で学費の支払いが厳しいときには国の教育ローンに頼るのはいかがでしょうか。
学費で悩んでいるご家庭はぜひご検討ください。
日本政策金融公庫の教育ローンの審査基準と審査期間
国の教育ローンとして知られているのが「日本政策金融公庫」の教育一般貸付です。
融資対象となる学校に入学・在学するお子様の保護者(主に生計を維持されている方)が契約する形になります。奨学金だと名義はお子様本人になるのが基本ですが、教育ローンということで名義は保護者=保護者が返済していきます。
国の教育ローンは申し込める世帯年収(所得)の上限額が決められています。
【国の教育ローンに申し込める世帯年収の上限】
子供の数 | 世帯年収(所得)の上限額 |
1人 | 790万円(590万円) |
2人 | 890万円(680万円) |
3人 | 990万円(770万円) |
4人 | 1,090万円(870万円) |
5人 | 1,190万円(970万円) |
※カッコ内の金額は事業所得者の場合の所得上限額です。
※上限額は状況によって条件が緩和されるケースがあるので、上記の表を見る限り世帯年収が上限を超えてしまうという方も日本政策金融公庫へ問い合わせて相談してみることをおすすめします。
審査期間は申し込み時期によって変動する可能性があります。
申し込みが殺到しているタイミングだとある程度遅れる可能性があるので日本政策金融公庫側で推奨しているのは、お金が必要なタイミングの2~3ヵ月前の申し込みです。
ちなみに国の教育ローンは受験前でも申し込みすることができるので「合格がわかり入学する学校が確定してから申し込む」という感じにしなくても大丈夫です。
通常は申し込みから振込までは20日~1ヵ月前後です。
申し込みの混雑状況によって変動する可能性があるので、早めの対応をおすすめします。
日本政策金融公庫の教育ローンの審査基準
日本政策金融公庫の教育ローンこと国の教育ローンの審査は、申し込み時の情報をもとに進められます。
【審査基準となる項目】
- 申し込み者の勤務先(仕事)
- 収入
- 他社からの借入状況
- 住宅ローンや公共料金の返済&支払い状況
他にも先ほど触れた年収の上限も審査で見られます。
総合判断で決まるので、「これがこうだと絶対審査に通らない」というポイントはありません。
そこそこしっかり見られますが、過去に信用情報に傷をつけていなければ審査には通りやすいと感じる方が多いです。国の教育ローンはその特徴上、低所得の家庭にも融資しています。
本来は家庭の経済状況により進学を諦めなければいけない状況でも、国の教育ローンを利用することで状況を変えられる可能性があります。
信用情報機関にトラブル履歴が登録されていると難しい
あくまでも総合判断なので具体的に「どこがどうなるとダメ」という審査情報は公開されていません。
しかし信用情報機関にトラブル履歴が登録されていると審査に通りづらくなる可能性が高いです。
信用情報機関に登録されるトラブル履歴とは、例えば自己破産した履歴や、過去に携帯料金や家賃などを支払えず支払い遅延の履歴が登録されることです。
5年で情報は消えるといわれているので、過去にトラブル履歴があっても現在では情報はなくなっている可能性はありますが、これも詳しいところは日本政策金融公庫側に審査をしてもらわないとなんともいえません。
申し込みして審査をしてもらうだけなら無料なので、利用したいときには、まずは第一歩。申し込みましょう。
審査期間は長い?
申込み完了から審査の結果が出るまでには10日前後かかります。
そこから振込(融資)まではさらに10日前後。つまり、申し込み~融資してもらうまで20日前後かかると考えておきましょう。
混雑状況によってはもう少し早くなったり、逆に遅くなったりする可能性はあります。
余裕を持って申し込みをすると安心です。
国の教育ローンは受験する前から申し込みはできるので(申し込みは1年中受け付けています)早く申し込めるなら早めに対応しておくといいのではないでしょうか。
教育ローンとしてみるととても魅力的だが審査は厳しい説あり
信用情報機関に記録がない方からしたらむしろ審査に通りやすいと感じる可能性すらあります。経済状況により進学が難しいご家庭のお子様にも手を差し伸べてこその国の教育ローンだからです。
しかしもちろんお金を返してもらわなければいけないので、審査はあり、きちんと返してくれるかは見なければいけません。
信用情報機関に記録があるということは一時的に返済していない、もしくは自己破産したという証明でもあるので、記録が残っていると「返せない」と判断されて審査に通らない可能性が出てきます。
つまり、人によりけりであり審査に通るか通らないかは試してみないとわからないことでもあります。他人がどうでも問題は自分の状況だとどうなるかです。
教育支援資金と奨学金は検討の余地あり
国の教育ローンの他にも、教育費用をサポートしてくれる制度はいくつかあります。
例を挙げてみましょう。
(その他の)教育ローン | 各銀行の教育ローン |
教育支援資金 | ※低所得者層向け。各都道府県に設置された社会福祉協議会という団体が実施している教育費の貸付。 |
奨学金 | 国の奨学金、学校独自の奨学金、返済の必要ありなしなどは奨学金によりバラバラ。契約者は学生本人=返済義務も学生本人 |
国の教育ローンはもちろん検討候補の1つとして考えたいですが、状況によっては他の制度も検討したいところです。
日本政策金融公庫の教育ローンは国の融資制度で安心
日本政策金融公庫が実施している国の教育ローンはその名の通り国の教育ローンなので安心です。
国の教育ローンということで門戸は広く金利面でも、民間の金融機関より有利になることも!?
国の教育ローンの金利と条件を確認してみましょう。
日本政策金融公庫の教育ローンの金利や条件を確認
日本政策金融公庫の教育ローン(国の教育ローン)の気になる金利などの条件はこちらです。
【金利や借りる際の条件】
固定金利 | 年1.78% |
借入上限 | 最高350万円(※ただし海外留学で利用する際には最高450万円) |
資金使途 | 入学金、授業料、受験費用、定期券代、在学のためのアパート代、パソコン購入費 (大学、大学院、短大、高校、高専、専門学校、各種学校、予備校、デザイン学校などが進学先ならOK) その他、海外留学にも対応※資金使途で認められるか迷う際には日本政策金融公庫に直接お問い合わせください。 |
連帯保証人 | (公財)教育資金融資保証基金による保証を利用するなら不要です。この場合、別途保証料を融資金から一括して差し引き。 ※上記ではなく連帯保証人による保証で進めたい場合は進学者、在学者の4親等以内の親族(進学者・在学者の配偶者を除く)を連帯保証人として立てて対応することも可能。 |
備考 | 日本学生支援機構の奨学金と併用できる |
【返済方法について】
- 在学期間中は利息のみの返済も可能
- 最長15年の長期返済
- 家庭の状況に応じた金利、返済期間の優遇措置あり
母子家庭、父子家庭、交通遺児家庭、子ども3人以上の一部世帯、世帯年収200万円以下の方などは金利の低減、返済期間の延長といった優遇制度が可能なので日本政策金融公庫に相談しましょう。
ちなみに申し込みは最寄りの日本政策金融公庫、国民生活事業の各支店窓口でできます。
また、ホームページからもお申込みいただけます。
【申し込みにあたり必要な書類】
- 借入申込書(教育ローンコールセンターに連絡して送ってもらえる)
- 住民票の写しまたは住民票記載事項証明書(世帯全員、続柄を含む原本を用意)
- 運転免許証またはパスポート
- 源泉徴収票または確定申告書(控)
- 預金通帳(直近の6ヵ月分以上)
【状況に合わせて別途必要になる書類】
ちなみに入学資金として国の教育ローンを利用する場合は、合格を確認できる書類も必要です。
在学中の資金として国の教育ローンを利用する場合は、在学を確認できる書類&使い道を確認できる書類(学校案内、授業料納付通知書など)が必要です。
【日本政策金融公庫のコールセンター(問い合わせ先)】
コールセンターの電話番号 | 0570-008656 |
受付時間 | 月~金⇒9:00~21:00 土曜日⇒9:00~17:00 ※日曜日、祝日、年末年始(12月31日~1月3日)は休業 |
電話が通じない場合 | 03-5321-8656まで連絡 |
日本政策公庫の教育ローン以外に民間企業のものもある。民間のローン
日本政策金融公庫(国の教育ローン)以外にも教育ローンを取り扱っている民間企業もあります。
国か民間かという違いですが、銀行の教育ローンも選択肢として人気はあります。
ただ銀行のほうが民間という背景もあり、審査面が厳しいと感じる方もいるようです。国の教育ローンと比べると金利は高く感じますが、一般的なローンの基準でみると低金利といえる範囲に設定されています。
金融機関名 | 金利 |
みずほ銀行教育ローン | 2.875%~3.475% |
イオン銀行教育ローン | 2.80%~3.80% |
三井住友銀行教育ローン | 2.975%~3.475% |
まとめ:国の教育ローンは条件がいいからこそ審査基準は厳しめ?
今回は日本政策金融公庫の教育ローン(国の教育ローン)についてご紹介しました。
国の教育ローンは条件がいいからこそ審査基準が厳しくなるのかと思いきや、広く教育機会を提供するためにも門戸は広くなっています。もちろん審査はあることなので絶対とはいえません。
しかし、学費のことで悩んでいる方はまずは相談してみたり申し込みをしてみたりしてはいかがでしょうか。
国の教育ローンは入学先が決まる前から申し込むことができます。